片野鴨池とは

片野鴨池は石川県加賀市にある広さ約10ヘクタールの小さな池です。
小さいながらも西日本最大級のガンカモの越冬地になっており、特にトモエガモは全国で越冬する中の約半数が鴨池に飛来します。

また豊かな生態系は、手つかずの自然として残ってきたのではなく、たんぼや坂網猟といった人の生活とかかわりながら続いてきました。

これらのことが評価され、1993年に片野鴨池はラムサール条約の登録湿地に登録されました。

畔にたつ加賀市鴨池観察館にはレンジャーが常駐して解説してくれるので、四季折々の鴨池の自然を楽しむことができます。

片野鴨池の歴史

片野鴨池の原型は、今から500年前にできたといわれています。
海からの風で砂が運ばれてきて砂丘ができ、谷が埋うめられて水が溜まりました。

図は鴨池の周囲の地質を表しており、海岸沿いや鴨池の周りに砂丘と砂岩地帯が広がっているのがわかります。

当時はとても深くて大きな池で、現在鴨池の周りにある山の中腹あたりまで水がありました。

その後、1678年に大聖寺藩の命令で片野町の魚屋長兵衛が鴨池の水を抜くトンネルを作り、鴨池の水位は現在とほとんど変わらなくなりました。
魚屋長兵衛がトンネルを作って水を抜いたのは、池の底に堆積した泥を使い、たんぼを作るためでした。

写真は1960年代の鴨池の航空写真です。右側3分の2ほどが灰色になっており、よく見ると四角いたんぼが見えてきます。
このように鴨池は300年間たんぼとして使われてきたのです。

ところが、近年お米の消費量が減ってきたため、お米が余らないようにする政策がとられてきました。
その際に、もともと池の底だった泥深い鴨池のたんぼは、減少していき1999年を最後に農家の方が耕作をするたんぼはなくなってしまいました。

現在は鴨池観察館友の会が「鴨池たんぼクラブ」を開いて、子供たちとともにたんぼを作っています。
鴨池でたんぼが開かれてから10年後の1687年、坂網猟が始まります。

鴨池のカモたちは、夕方薄暗くなったころに鴨池を飛び立ち、周辺の水田へ餌を食べに行きます。
この飛び立つところを鴨池の周囲の丘の上で網を使ってとるのが坂網猟です。

せっかく守っているカモを捕っていいのかともよく言われますが、むしろ坂網猟がなければ現在ほどたくさんのガンやカモは鴨池に来てくれません。
なぜなら、鴨池に冬季の人の立ち入りの禁止や周囲の森林の伐採の禁止、銃猟の禁止を行ってきたのは他ならぬ坂網猟です。

現在でも冬季の見張りを続けており、不自然にカモが飛んだ時は周囲の見回りなどをして、池に入り込む人がいないようにしています。