夜になって風がなく気温が零下十五度位になった時に静かに降り出す雪は特に美しかった。
真暗なヴェランダに出て懐中電燈を空に向けて見ると、底なしの暗い空の奥から、 数知れぬ白い粉が後から後からと無限に続いて落ちて来る。
それが大体きまった大きさの螺旋形を描きながら舞って来るのである。
そして大部分のものはキラキラと電燈の光に輝いて、結晶面の完全な発達を知らせてくれる。
何時までも舞い落ちて来る雪を仰いでいると、 いつの間にか自分の身体が静かに空へ浮き上がって行くような錯覚が起きてくる。
中谷宇吉郎「冬の華/雪雑記」より

これからのイベント
[企画展]中谷宇吉郎 没後50年記念
[企画展]中谷宇吉郎 没後50年記念 第一企画 
  「中谷宇吉郎と高野興作」

   日 時:2月17日(金)〜5月15日(火)
   場 所:中谷宇吉郎雪の科学館
  
 宇吉郎の親友・高野與作との家族ぐるみの交流、二人の友情から始まった凍上などの研究、高野家が
大切にしてきた宇吉郎の墨絵をご紹介します。