宇吉郎による雪の研究
図1 天然雪結晶の分類表
図1 天然雪結晶の分類表
図2 人工雪製作装置
図2 人工雪製作装置
図3 中谷ダイヤグラム
図3 中谷ダイヤグラム
 中谷宇吉郎博士(1900〜62)は、北海道大学で雪の研究を行いました。 雪は人々の暮らしとさまざまな関わりがあり、北海道にあった研究テーマだと考えていた頃、アメリカの農夫・ベントレーが撮った雪の結晶の写真集が出版され、その美しさに感動し、研究に着手しました。
 博士は、美しい結晶ばかりでなくあらゆる形を顕微鏡写真に撮り、結晶を分類しました(図1)。 気象状態がどのようなときにどんな結晶が降るかも調べました。 そして、観察によって思い浮かんだ仮説を確かめるため、人工雪作りを目指しました。 そして、低温室を作って実験し、1936年に世界で初めて人工雪を作ることに成功したのです。 人工雪の装置は図2のようなもので、ビーカーの水をヒーターであたためると水蒸気が上昇し、それが冷えて装置の上部につるしたうさぎの毛に結晶ができました。 温度と水蒸気量の値を変えれば結晶の形が違ってくることがわかり、2つの条件と形の関係を1つの図(図3。後に「中谷ダイヤグラム」と呼ばれる)にまとめました。
 この研究の意味を、博士は「雪は天から送られた手紙である」という有名な言葉で表現したのです。
 その後、博士の研究テーマは雪や氷のさまざまな問題へと広がりました。

(右の図1〜3をクリックすると拡大図が表示されます。)